12月に入職された医師の自己紹介です。

山本崇人医師

「最期のご飯は何がイイか」
そんな話をすることあります。

同じように人生の
最期を誰と何処で
どうやって過ごしたいか、
人それぞれだと思います。

大学病院で呼吸器内科に携わり、
治らない疾患が多く沢山の人を
看取ってきました。
多くの患者さんが望むのは
痛くないこと、
苦しく無いこと。
その思いに応えたく
緩和医療チームに
参加していました。
活動の中で違和感も
感じていました。

その当時は緩和医療チームが
介入するのがすでにだいぶ
進行している時期で、
この残された時間が少ない
タイミングでノコノコ
緩和医療オーラを
振りかざして介入することは、
果たして患者さんの
ためになっているのだろうか、
死に神のように
思われてはいない
だろうかと考えていました。
そしていよいよ
お別れが近くなると、
多くの方が自宅に
帰りたいと願います。
しかし万全な体勢で
退院支援をしますが、
「自宅に戻ったはいいが困っている」、
「こんなはずじゃなかった」と
よく聞きました。

在宅医療現場を知りたいと思ったのと、
自宅に戻ってからも
安心して生活できる
お手伝いが出来ないかと、
二年半前に訪問診療医となりました。
自宅へ伺うと病室とは違い
非常にゆっくりとした
時間が流れます。
しかし癌患者さんや
高齢の方が多く、
残された時間はさほど
多くありません。
誰と何処でどうやって
過ごしたいか、
今一番したい事は何か、
そんな想いを大切に
訪問診療をしていました。

今後おそらく内科分野ではAIが
発達していくと予想され、
画像診断はすでにAIが
勝り始めています。
ビッグデーターを元に
個別化治療が進み、
治療はAIが担う時代が
来ると思います。
しかしAIは個別の価値観を
治療に落とし込むのがまだ
苦手のようです。
本人・家族の想いや価値観と
治療方針や療養方針とを
調整し支援していくのが
医療チームの役割と
考えています。

自分は趣味でランニングを
少々やっています。
決して速くはないのですが、
最後尾で走り、
制限時間ギリギリのランナーを
応援するのが好きです。
6時間近く一緒に走っていると、
ゴール近くなると微妙な
一体感が生まれます。
この微妙な一体感こそが
家族を含めたチーム医療に
大事と考えています。
ウルトラマラソン
(60〜100kmぐらい)の
サポートボランティアも
やっているのですが、
トップ選手・中盤・
最後尾ではサポートの
方法も変わります。
地域医療も同じように
人・家族・生活環境・地域、
価値観等によって支援方法も
変わってくると思います。

地域の方々が安心して
住み慣れたエリアで自分らしく
暮らしていけるよう
力になりたいと
思っています。
よろしくお願いいたします。

因みに自分が最期に食べたいのは
「カツ丼」です。