実際に被災したら・・・

3日間を生き延びる

大地震や豪雨、土砂災害などにより、断水や停電、ガスの供給停止などのライフラインの被害の可能性があります。

よく、「災害発生から3日間を過ごせるように備える」ということを耳にされるのではないでしょうか。それは、災害発生から3日間は人命救助が最優先になり、道路の復旧や避難所への物資輸送はその後になるためです。まずこの3日間、自力で生活できるよう準備しておきましょう。

また、家族や友人の安否情報を集める方法、家族との連絡手段や集合場所を確認しておくことも大切です。

なぜ3日間(72時間)?

根拠になっているのは、阪神・淡路大震災の生存率のデータと人間が水を飲まずに過ごせる限界の日数の2点です。

一般的に被災後の3日を過ぎると生存率が著しく低下するといわれています。72時間以内であれば安全に救助できる傾向があるため、人命救助では72時間以内の負傷者の救助を目指しています。

発災から供給まで

状況にあわせたシミュレーションができるサイト

地震想定シナリオ(内閣府)

首都直下地震72時間(東京大学)

東京都災害拠点連携病院とは

災害時において主に中等症者や容態の安定した重症者の治療等を行う病院として東京都が指定しています。
調布東山病院は、この東京都災害拠点連携病院となっています。

避難するときの注意

避難中に停電から復旧し通電すると、火災の危険があります。それを防ぐため、ブレーカーを切ったままにし、通電させないようにします。

ブレーカー切

(参考)東京都、「感震ブレーカー」無償配布 木造住宅密集の32万世帯(2023年1月22日時事ドットコムニュース)

 

ライフラインにあわせた備え

各ライフラインの復旧目標日数(内閣府)

首都直下地震等による東京の被害想定では、電気で6日、上水道で30日、ガスで55日、通信で14日と見込まれています(復旧率95%、ガスのみ80%)。

電気

ライフラインの中で比較的早く復旧することが見込まれます。ガスコンロの代わりとなるIHクッキングヒーターやIH対応調理器具、電気ポットがあると便利です。

ライフライン_電気

水道が復旧しない間も給水車から水をもらうために、給水タンクや給水袋が必須となります。空の2Lペットボトルも使えます。

ペットボトル

ガス

ガスの復旧は遅くなるため、カセットコンロを使用する場合はガスボンベを多く用意しておく必要があります。
長期間入浴ができないことも考えられます。体を拭いたり着替えたりできるよう、タオルや衣服を多めに用意しておくとよいでしょう。
また、冬は寒さ対策としてガスを使わない暖房器具があると安心です。

ライフライン_ガス

食料品・日用品の備え

いつ、地震や豪雨などに遭うかわかりません。
外出する際の日々の準備から、ひとまずの避難、そして長期にわたる避難のことを想像して、準備しておくとよいものをリストにしました。

ご自身の状況にあわせて追記しながらお使いください。

チェックリスト

画像をクリックするとチェックリストのPDFが開きます。

室内の備え

  • ドアや避難経路をふさがないよう、部屋の出入り口や廊下には家具類を置かない
  • 突っ張り棒やL字金具、粘着シート(ジェルマット)、転倒・移動防止ベルトなどで家具や家電を固定する
  • ガラス飛散防止フィルムを貼る

火災などの二次災害を防ぐためにもこういった対策が必要です。

家具

 

家族と話し合っておきたいこと

待ち合わせ場所

安全のため、指定された避難所や避難場所などを選びましょう。
具体的な集合場所(できれば2か所)を決めておくことがポイントです。

待ち合わせ時間・待つ時間

被災した場所によっては、待ち合わせ場所に到着するまでに時間がかかることも考えられます。
また、待ちぼうけにならないよう、「1日2回、午前11時と午後3時 それぞれ15分間」など明るい時間帯を選んで待ち時間も決めておくことをお勧めします。

待ち合わせ

連絡手段

(1)SNSや無料通話アプリ

インターネット回線は、電話やキャリアメールに比べてつながりやすい傾向があります。
今いちばん慣れている人が多い手段ではないでしょうか。使い慣れた手段で、いざというときにどう使えるかシミュレーションしてみるのも防災になります。

複数のSNSやアプリを利用している場合、家族との連絡にどれを使用するかを決めておき、メッセージの送り方も改めて確認しておきましょう。SNSでは安否を複数人にまとめて連絡できるので、バッテリーの節約にもなります。

LINE Twitter Instagram Facebook

 

アイコンで無事を知らせる便利な使い方も!
https://itumosimo.jp/icon-maker/

フェイクニュース

 

ただし、情報収集に使う場合は、不正確な情報やうわさが流れることがあるので、情報発信源をよくご確認ください。

 

 

 

(2)災害用伝言板「web171」

災害時に安否情報などの登録、閲覧ができるインターネット上の掲示板です。文字情報で伝言を登録・確認できます。
https://www.web171.jp/web171app/topRedirect.do

 

(3)災害用伝言ダイヤル「171」

災害171

固定電話やスマートフォンなどの電話番号宛に、伝言を音声で録音(登録)すると、電話番号の持ち主が音声を再生(確認)することができます。安否情報や避難場所などの連絡が可能です。

調布東山病院・桜ヶ丘東山クリニック喜多見東山クリニックでも定期的に利用体験しています。

 

 

(4)通信各社の災害用伝言板や災害用音声お届けサービス

災害時には、各通信会社から災害用伝言サービスが提供されます。楽天モバイルなど自社サービスがない通信会社の場合は、web171Googleパーソンファインダーをご利用ください。

 

J-anpiでは、web171や通信各社に登録された安否情報をまとめて確認することができます。

J-anpi(安否情報まとめて検索)
https://anpi.jp/top
https://anpi.jp/info/disclaimer.html

 

NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/

au(KDDI・沖縄セルラー)
http://www.au.kddi.com/mobile/anti-disaster/saigai-dengon/

ソフトバンク
http://www.softbank.jp/mobile/service/dengon/

Y!mobile
http://ymobile.jp/service/dengon/

Googleパーソンファインダー
https://www.google.org/personfinder/japan

 

トイレが使えない

災害時、断水や停電で自宅や近くのトイレが使えなくなったらどうしますか?
我慢するにも限界があり、においなどの衛生面でも問題が大きくなってしまうトイレ問題。

断水したり、停電したりすると、トイレの水が流れなくなる可能性があります。トイレが使えなくなることで、さらに精神的にも身体的にもストレスがかかってしまいます。

人が1日にトイレに行く平均回数は5回。この回数に人数と使う日数をかけた分だけ用意する必要があります。
日数については、まずは3日分、可能なら1週間以上の備えをしておくと安心です。

仮設トイレの問題点

避難所の仮設トイレは、設置されるまで数日~1週間程度かかります。
また、多くの人が利用し、衛生状態が悪くなりがちです。手洗いや掃除がままならない状況で、感染症が広がる危険性もあります。

ほかにも、トイレ内の段差、トイレまでの距離が遠い、順番待ちの列ができているとすぐに利用できない、安全面に不安がある、など安心して使うことが難しい状況になりがちです。

    備えるためには携帯・簡易トイレ

    そこで、備えておきたいのが携帯トイレ・簡易トイレです。

    吸水シートや凝固剤が入った使い切りタイプ(排水ができなくなった便器や組立式の簡易トイレに設置して使用する)、持ち運び可能な小型のトイレ(便座つき)などさまざまなタイプがあります。使う人や使いやすさなどを考え、使う環境にあったものを選んでください。

    目隠し用のポンチョや仕切り、テントがあるとより安心ですね。

    携帯トイレ 目隠しポンチョ

     

    最後に

    わかってはいるけれどなかなか・・・ということもあるかと思います。
    被災した時のことを想像し、少しでも準備を進めるきっかけになれば幸いです。

     

    参考:
    「東京防災」

    tenki.jp 知る防災
    いつもしも
    女性のためのあんしんライフNavi(セコム)あんしんコラム「第350回 災害発生!家族と待ち合わせる方法」
    ソフトバンクニュース

    東山会は、一般急性期病院、透析医療、予防医療、在宅医療・介護の4つの分野でサービスを提供しています。

    調布東山病院:一般急性期病院、透析センター、ドック・健診センター、在宅センター

    桜ヶ丘東山クリニック:人工透析専門クリニック

    喜多見東山クリニック:人工透析専門クリニック