漢方薬とは?

漢方薬とは、植物・ 鉱物・動物のうち、薬効があるものを加工した「生薬」を組み合わせて作られる 薬です。西洋薬は、 血圧を下げる、細菌 を殺す、痛みや熱を 抑えるなど、特定の 症状や病気に対して強く作用します。一方、漢方薬は一つの処方に複数の生薬を含み、体のさまざまな部分に幅広く働きかけます。

特に、冷えを伴う症状については、西洋薬では治療の選択肢があまり多くありません。冷えの原因が甲状腺や血管の異常など、はっきりした病気として見つかれば、西洋医学的な治療で改善できる可能性があります。

しかし、実際には冷えの原因となる病気が特定できない場合も少なくありません。そのようなとき、体を温めて体調全体を整える治療を得意とする漢方薬は、有効な選択肢の一つといえます。

漢方の疑問に、お答えします

漢方薬に副作用はある?

この質問への答えは、「半分正解で、半分は間違い」です。

漢方薬はいくつかの生薬を組み合わせて作られています。例えば、ショウガや陳皮(みかんの皮)、大棗(なつめ)など、食べ物の延長と考えられる生薬もあり、その点では比較的安全なイメージを持たれるかもしれません。

しかし、蕎麦アレルギーや卵アレルギーのように、食べ物であってもごくまれに強いアレルギー反応を起こすことがあります。同様に、漢方薬でも、飲み始めて数日で湿疹が出たり、息苦しさを感じたりといったアレルギー反応が起 こることがあります。さらに、肝機能の異常や電解質(特にカリウム) の異常など、漢方薬を飲み続けることで生じる副作用の中には、採血をして初めて分かる ものもあります。

そのため、漢方薬を継続して 服用する場合は、医療機関を受診しながら続けると安心です。

漢方薬は即効性がない?

患者さんに漢方薬を処方しようとすると、「漢方薬は、あまり早く効かなくて、1年くらい飲まないと効果が出ないのではないですか」と尋ねられることがあります。実際には、漢方薬の効き方や効果が現れるまでの時間はさまざまです。

使う漢方薬の種類 や、その方の症状によって、比較的早く変化を 感じられることもあれば、時間をかけてゆっく り効いてくる場合もあります。 足がつったとき(こむら返り)に出す芍薬甘草湯という漢方薬は、だいたい数分で効くと言われ、漢方薬の中でも即効性のある処方です。

風邪症状に出す漢方薬は、数日飲めば(漢方薬が合っていれば)効果を感じるはずです。半年以上続くだるさや、数年続く足の冷えなど、他の診療科を受診しても改善が乏しい症状があります。このように、一定期間以上続いている症状の場合は、漢方薬の効果を焦らず、じっくりと見ていくことが大切だと考えられます。

漢方薬は値段が高い?

漢方薬には、市販の漢方薬から、病院で処方する漢方薬、漢方薬局で調合してもらう漢方薬など、種類がいくつもあります。漢方薬局や保 険の効かない自費診療で出す漢方薬だと、ひと月の漢方薬の費用が1万円以上という話も聞きます。

保険診療で出す漢方薬は、処方によっても値段は違いますが、1カ月で(高くとも)千円から二千円ほどと、西洋薬とほとんど変わりません。市販薬については、こちらも値段は薬によっても違いますが、保険診療で出すよりは値段は高めです。

 

市販の漢方薬の見方

葛根湯などの漢方薬は、最近では市販薬としても手に入るようになっています。「満量処方」と記載されている市販薬は、病院で処方される漢方薬と同じ量の生薬が含まれています。

一方、「満量処方」の表示がない場合は、生薬の量が少なめになっていることもあります。
また、カタカナの名前が付いた市販薬でも、実際には漢方薬の成分が使われていることがあります。葛根湯も、カタカナ表記の商品名でも販売されています。

この記事は、樫尾医師による2025年7月放送の調布FMと10月25日開催の講演会の内容をまとめたものです。

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